日常のトピ

たまにどヘタ漫画

好きな東野圭吾さんの小説 ベスト30

 

だんだんと寒くなってきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、今年は東野圭吾さんのデビュー30周年にあたる年なので、「好きな東野圭吾さんの小説 ベスト30」と題して、おすすめの東野圭吾さんの小説をランキング形式で書いてみようと思います。東野さんの小説はほとんど(9割ぐらい)読んでいるので、30作品にしぼるのは大変ですが、とりあえず書いてみます(清々しい見切り発車)。ご参考になれば幸いです。

 

30位 おれは非常勤

 小学校の非常勤講師の「おれ」が様々な事件を解決するミステリーです。このタイトルほど明瞭な自己紹介はありません。プロゴルファー猿の「ワイは猿や!プロゴルファー猿や!」に匹敵するほどのキラーフレーズです。

大人になると、非常勤のような「定まっていない立場」の人には、あまり魅力を感じなくなりますが、この作品の「おれ」は例外です。ドライな態度の根底にある優しさに、まんまとやられました。この作品は、小学生向けの雑誌に連載されていましたが、大人が読んでも十分に楽しめる内容です。

 

29位 白銀ジャック

ゲレンデに爆弾をしかけた犯人との鬼気迫る攻防を描いたサスペンスです。「禁断のゲレンデ」を舞台にした命懸けのレースは、圧倒的な疾走感をまとっています。「100万部突破!!」と大書された帯を見て、心底驚いた記憶があります。実にうらやましい。

 

28位 どちらかが彼女を殺した

妹を殺された兄の「復讐推理劇」を鮮やかな筆致で描ききった名作です。この作品の最大の特徴は、「犯人が明かされないまま終わる」ことです。そのため、真剣に読んでいなかった人は、犯人がわからないまま読了することになります。かくいう私も、はじめて読んだときは、どちらが犯人かわかりませんでした(2回目でなんとかわかりました)。読者というのは所詮、作者の手のひらの上で踊らされているだけの存在なんだな、としみじみ感じました。

 

27位 悪意

この作品は、「犯人をあてる物語」ではなく、「犯人の動機を探る物語」です。犯人の手記と刑事の記録が交互に積み重なっていくことで、事件の内部事情が少しづつ明かされいく構成になっています。伊坂幸太郎さんのムック「伊坂幸太郎 デビュー10年 新たなる決意」でも、「影響を受けた本100冊」として、この作品が挙げられていました。この作品を「東野圭吾さんの最高傑作」と評する人は多いです。

 

26位 赤い指

少女を殺した犯人とその家族の懊悩を描いた作品です。事件自体は地味なものですが、「事件の暗部」には、極めて凄惨で醜悪な事象が存在していて、読んでいていたたまれない気持ちになります。「人間の負の面」と社会問題を巧みに織り交ぜた名作です。

 

25位 毒笑小説

「小説の中での笑いの地位を上げたい」という東野圭吾さんの野望が噴出した作品です。タイトル通り、ブラックユーモアに溢れた短編集です。AV見たさに孫の部屋を荒らす70代の「ホームアローンじいさん」の話が大好きです。姉妹作品の「怪笑小説」と「黒笑小説」も秀逸です。

 

24位 レイクサイド

子供を守るために、自らの手で犯行を隠蔽しようとする親達の物語です。子供をもつ親の心理というのは、極めて複雑なものなのだなぁと感じました。

 

23位 手紙

殺人犯の家族が、社会から差別され、懊悩しながら生きていく様子を描いた作品です。「殺人犯の家族は、差別されて当然」という考え方は、一見その家族に対して冷酷に思えますが、「普通の感覚の人間」であれば、突飛でも何でもなく、至極当たり前の考え方です。殺人犯の弟として生きる主人公の生き様は、現実社会の厳しさを「正しい形」で反映しています。

 

22位 さまよう刃

娘を殺された父親による復讐劇を描いた作品です。少年犯罪とその処遇について深く考えさせられます。「少年法というセーフティゾーン」を隠れ蓑にして悪行を働く少年達の姿は、畜生そのものです。「何があっても復讐を果たす」という父親の鬼気迫る姿は、読む者を震撼させます。

 

21位 マスカレード・ホテル

連続殺人事件の捜査のためにホテルに潜り込んだ刑事と、そのお目付役のホテルウーマンの活躍を描いた長編ミステリーです。ホテルの内部事情やホテルマン(ウーマン)の心理が丁寧に描かれているため、それに感化されて、ホテルマンを目指そうかとも思いましたが、人見知りなのであきらめました。

 

20位 トキオ

難病の息子が20年前の世界にタイムスリップして、若かりし頃の父親と出会い、共に未来を築いていくという物語です。息子の「誕生」と父親の「再生」を描いた、感動的なSF作品です。

 

19位 祈りの幕が下りる時

加賀恭一郎シリーズの完結編です。女性演出家の周辺で起きた殺人事件の解決に、加賀刑事が挑みます。加賀シリーズの完結は少し寂しいですが、素晴らしい締めくくりだったと思います。余談ですが、作品内に登場する清掃会社「メロディエア」の文字を入れ替えると、「エロメディア」になりますね。それだけです。

 

18位 流星の絆

幼い頃、何者かに両親を殺された兄姉が、「犯人への復讐」という共通目標を胸に、支え合いながら生きていく様子を描いた物語です。この作品を読むと、ハヤシライスが食べたくなります。

 

17位 夜明けの街で

「不倫をするようなやつは馬鹿だ」と思っていた主人公が不倫をする物語です。主人公と、不倫経験のある親友との間に交わされる「アホ丸出しの会話」は必見です。

 

16位 ダイイング・アイ

失われた記憶を取り戻す過程を描いた物語です。この作品の中で繰り返し語られる「交通事故は運だよ」という言葉には、とてつもない重みがあります。

 

15位 名探偵の掟

名探偵・天下一大五郎の活躍を描いた「本格ミステリー」です。「お約束」や「ご都合主義」を成立させるために悪戦苦闘する登場人物達が愛おしいです。「33分探偵」みたいな感じですね。観たことありませんけど。

 

14位 片想い

性同一性障害という重いテーマに貫かれた作品です。性同一性障害という事象への向き合い方や捉え方が、それぞれの立場や性別によって大きく異なるというのが非常に興味深いです。

 

13位 殺人の門

「殺人の臨界点」を克明に描いた作品です。主人公の親友が絵に描いたような外道で、彼の言動を見ていると、なぜか妙に清々しい気分になります。「誰にでも殺意というものは芽生えるんだなぁ」という当たり前の事実を噛み締めました。

 

12位 使命と魂のリミット

渾身の医療ミステリーです。「それぞれの人間にしか果たせない使命」を胸に、一所懸命に生きぬこうとする人間の姿は、神々しいです。

 

11位 変身

脳移植手術を受けた主人公の身体的・精神的な感覚の変化を描いた作品です。刻一刻と変わっていく主人公に対して、献身的な態度で接する主人公の恋人の姿は、輝きに満ちあふれています。

 

10位 秘密

亡くなった妻の魂が娘の身体に乗り移るという「入れ替わり系」の作品です。入れ替わり系といっても、「パパとムスメの7日間」のようなドタバタコメディではなく、確固たるヒューマンドラマです。パパとムスメの7日間は、小説もドラマも面白いです(横道に大きく逸れる)。

 

9位 放課後

東野圭吾さんのデビュー作です。密室殺人がテーマの王道推理小説です。10代の女子高生の瑞々しさが作品に彩りを持たせています(なんか変態っぽい文章だ)。

 

8位 学生街の殺人

モラトリアムを満喫する青年の周囲に巻き起こる連続殺人事件を描いた作品です。実際はフリーターなのに、親には大学院に通っているという嘘をついて、のんびりとした暮らしを謳歌している主人公の姿がまぶしくもあり、心配でもあります。

 

7位 殺人現場は雲の上

スチュワーデス(懐かしい名称)のエー子とビー子の活躍を描いた作品です。この作品を読んだのは大分前ですが、二人のユーモアあふれる掛け合いが強く記憶に残っています。これは黒笑小説などにもいえることですが、笑いに力点を置いた作品を読むと、「東野圭吾さんも関西人なんだなぁ」とつくづく感じます。こういう作品は大好きです。

 

6位 白夜行

「被害者の息子」と「容疑者の娘」の人生の軌跡を描いた作品です。ドラマや映画にもなったので、この作品を知っている人は多いと思います。東野圭吾さんの代名詞とも呼べる作品です。

 

5位 ゲームの名は誘拐

広告代理店の敏腕プランナーとクライアントの副社長令嬢による「狂言誘拐」を描いた作品です。主人公の佐久間は一言でいうと「いけ好かない奴」ですね。例えるならば、デスノート夜神月みたいな感じです。

また、映画「g@me」も非常に面白いです。東野圭吾さんが「(藤木直人さんは)毛穴がなかった」と驚愕していたのを憶えています。映画にも東野さんが少しだけ出演しています。東野さんは男前で長身なので、画面映えしますね。

 

4位 虹を操る少年

「光楽」で世界を変えようとする天才少年の物語です。光を演奏するという「光楽」のイメージは様々あると思いますが、私はFF10のシーモア最終異体(4色の円盤を背負っているやつです)のイメージですね。もちろん、胸毛とツインテールはなしです。

 

3位 新参者

文字通り「足を使って」事件を解決に導く加賀刑事の活躍を描いた作品です。江戸情緒あふれる人形町の美しい光景が目に浮かびます。ドラマもとても面白かったです。主演の阿部寛さんはハマリ役ですね。「結婚できない男」のイメージが良い意味で塗り替えられました。

 

2位 容疑者Xの献身

天才数学者と天才物理学者の攻防を描いた作品です。論理の狭間に見え隠れする人間性に強く引きつけれます。映画版では、石神役の堤真一さんの演技が素晴らしかったですね。

 

1位 魔球

魔球を投げる天才ピッチャーの光と闇を描いた青春ミステリーです。この作品のクライマックスシーンは、筆舌に尽くしがたいほど悲しくて美しいです。

 

最後に

東野圭吾さんの作品には、「人間としっかり向き合うという意識」が通底していると思います。その人だけではなく、「その人の周辺」にも率先して目を向けて、許容する姿勢があるからこそ、多くの人に受け入れられる作品を書くことができるのではないでしょうか。東野さんの作家デビュー30周年記念作品「人魚の眠る家」も非常に楽しみです(宣伝)。