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日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『男尊女卑という病 』 片田珠美

 

人前で妻をバカにする夫、「男の責任者を出せ」と騒ぐ男性客、女性上司に反発を覚える男性社員、女性の結婚・育児・家事にまつわる社会の無言の束縛や圧力…。男女平等社会は当然と思われるようになった今もあちこちで目にする男性優位の“上から目線”。なぜ今も?家庭や地元で刷り込まれたからか?無意識か?そこに潜む意外な心理的病理を、注目の精神科医が分析。男と女のわかりあえなさを踏まえつつ、お互いが歩み寄る糸口を探る、新しい男女の解剖書。(「BOOK」データベースより)

 

本書は、精神科医の片田珠美さんによる、「男尊女卑の精神構造の解説書」です。世の中に存在する男尊女卑という事象を、精神科医の視点で丁寧に解説しています。男尊女卑の表層だけを一瞥して「わかったような気になっている人達」に対して、男尊女卑の深層を提示することで、「意識の改変」を緩やかに推奨しています。

 

男尊女卑という病に対して、「昔の男性がかかっている病気」というイメージを持っている人も少なくありません。しかしながら、男尊女卑という病は、現代の若い男性の大半にもみられる病気です。

 

「そんなことはない。今の若い男性の大半は女性を尊重している」という意見もあるかと思います。もちろん、昔の男性と比べたら、今の若い男性の方が「進歩的」であることは事実です。「一見してそれと分かる男尊女卑的な言動をする人」の数は明らかに減ってきており、男尊女卑という病が消失しつつあるように見えたとしても、なんら不思議ではありません。ですが、実際は、「男尊女卑という病の表出の仕方」が変わっただけのことであり、男尊女卑という病の罹患者の数自体は、昔も今も大して変わっていません。

 

「顕在的な男尊女卑」であれば、それを指摘して、教え諭せば済みます(少なくともその場においては)。しかしながら、「潜在的な男尊女卑」の場合、表面上にはっきりとあらわれていないため、指摘することも教え諭すこともできません。これは男尊女卑に限らず、あらゆる事象についても言えることですが、「わかりにくいもの」に相対することはとても難しいです。そのため、多くの人の関心は、「わかりやすいもの」に自然に向かうことになります。わかりにくいものに関わるよりも、わかりやすいものに関わった方が「費やした労力が報われやすい」ので当然です。

 

しかしながら、わかりにくいものをそのままにしておくと、「さらにわかりにくいもの」になります。そうなった場合、対処するのはますます難しくなってしまいます。男尊女卑という病をこれ以上蔓延させないためには、「火中の栗を拾いに行く人」の数を増やさなければなりません。そのような地道な行いを継続することが、男尊女卑という病の罹患者の数を減らすことにつながるのです。

 

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