日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『二十世紀』 橋本治

 

20世紀は戦争と革命の時代だったとも言える。しかし、一年ごとに見ていけば、意外にも大事件の起こった年は少ない。そんなふうに私たちは毎日を普通に生きているのだ。しかし、普通が激動に結びつくことは理解されにくい。一体、この百年で、何が変化し、何が変わらなかったのだろう?生活レベルのことから、芸術、経済、政治まで、橋本治が、歴史の全体像を身近なものへと手繰り寄せる。(「BOOK」データベースより)

 

本書は、作家の橋本治さんによる「二十世紀一年刻みの編年体コラム」です。1900年から2000年までを、1年につき4ページを割いて解説しています。20世紀というのは、1901年から2000年までなのですが、本書では、1900年も勘定に入れています。その理由については、1900年のページで詳しく説明されています。「『20世紀について語る』と言っておきながら、なぜ19世紀である1900年について語っているのか」という当然すぎる疑問は、1900年のページを一読することによって綺麗に氷解するので、心配は不要です(そもそもそんな心配をしている人はほとんどいないだろうけど)。

 

本書を読んでまず思うことは、「20世紀の前半は、争いに明け暮れているなぁ」というものです。「一にも二にも、とにかく争い」であり、本書を読み進めていくうちに、なにやら暗澹たる気持ちになりました。しかしながら、「争いに明け暮れている時代」というのは、なにも20世紀の前半に限った話ではありません。「大国が自分の力によって領土を拡大して行く」というのは19世紀以前的大原則であり、普遍的事実です。そのような普遍的事実が通用しづらくなったのが、20世紀の後半以降です。

 

20世紀の前半が「当たり前を疑いつつも、当たり前に引きずられていた時代」であるならば、20世紀の後半は「当たり前を疑い、当たり前を改めようとした時代」です。歪なものを「歪である」と言えなかった時代を経て、「おかしいものはおかしい。王様は裸だ!」と意を決して表明したのが、20世紀の後半という時代です。そのため、20世紀の前半から後半への移り変わりというのは、「口内から口外への変遷」であると言えます。そんな20世紀の激しい葛藤の上に存在するのが、21世紀という今の時代なのです。

 

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