日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『寂しさの力』 中森明夫

 

人間のもっとも強い力は「さみしさ」だ。スティーブ・ジョブズウォルト・ディズニー坂本龍馬山口百恵酒井法子…世界を変える偉人やスターは、みんな猛烈なさみしさの持ち主だった。彼らは精神的「飢え」をいかにして生きる力に変えていったのか。自身の喪失体験をもさらけ出して人生の原動力を示した筆者の新境地。さみしくても大丈夫、ではない。さみしいから、大丈夫!なのだ。(「BOOK」データベースより)

 

本書は、古今東西の有名人を例に挙げて、「人間の根底に存在する寂しさ」にスポットライトを当てたものです。世間には、「寂しいと感じる状態=良くない状態」というイメージを抱いている人も少なくありません。ですが、「寂しいと感じる状態だからこそ見える景色や得られるもの」があるのも厳然たる事実です。

 

寂しさと向き合い、「寂しさの内実を探る」ことによって、人間の幅は大きく広がります。人生と寂しさを完全に切り離すことは不可能です。人生というのは、「寂しさありきのもの」であり、「寂しいからこそ、より良い人生をまっとうできる」のです。

 

本書を読んでまず思ったことは、「なんだか文章が柔らかいな」というものです。中森明夫さんの本はほとんど読んでいますが、その大部分は「歯ごたえがしっかりとした硬質な文章」によって構成されています。一読しただけでは理解できないことも多々あり、何度も読み返すことによってはじめてその意味が理解できる、ということも少なくありません。

 

しかしながら本書には、「硬質な文章」は全く出てきません。そのため、本書を読んでいる間は、「なぜ普段とは違う感じの文章を書き連ねているのだろう」という疑問が頭を占めていましたが、最終章を読んで、その疑問が氷解しました。それと同事に、「本書を里程標として、中森さんは『新たな人生』を歩み始めるんだな」という感慨も抱きました。「激烈な寂しさ」を体験した中森さんの今後の活躍に期待せざるを得ません。

 

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