日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『男嫌い』 石坂啓

 

ある時はすし屋の独善オヤジに疑問を持ち、買い物するたび消費税に憤る。無難なオトコじゃ物足りない。―政治だって恋だって風俗だって、問題があればおろそかになんてできない。だから、正しいことは正しい、おかしいことはおかしい、とはっきり言う。怒りん坊だけど涙もろい、頼りになるアネキ・石坂啓が、本音で語る熱いメッセージ。ストレート&パワフルな痛快スーパーエッセイ。(「BOOK」データベースより)

 

本書は、漫画家の石坂啓さんによるエッセイ集です。日常のあらゆる出来事をばっさばっさとなぎ倒していくその様は、痛快の一言に尽きます。エッセイストとしての石坂啓さんの魅力を堪能できる一冊です。

 

本書の中で最も印象に残ったのは、「皮フ感覚の差」という題のエッセイです。痴漢という性犯罪を通して、「男女の皮膚感覚の違い」を真っ向から論じています。以下引用します。

 

「痴漢にあってコーフンして喜ぶ女なんで、断じてないと思う。バカな漫画や小説に猛省してもらいたいところだけど、女がどんなに恐怖を感じるか、男の人はいったいどれくらい理解してくれるのだろう。どんなに明るいところであろうと相手がおまぬけなオトーサンであろうと、ヘンタイに接したときの女は足元が凍りつくような恐怖を感じる。立ち直るまでにエネルギーをとてつもなく消耗する。腹を立てたり情けない気持ちになったりするのは、それのもっともっとあとである。」

 

痴漢に限らず、「一方的で理不尽な恐怖」というのは、人間の心身を大きく摩耗させます。そして、「痴漢という災害」が過ぎ去った後に到来するのは、「無駄なエネルギーを消耗させやがって、このダボが!」という、当然すぎるほど当然の怒りです。その怒りを落ち着けるために要する時間とエネルギーのことを思うと、怒りのボルテージはますます高まっていきます。

 

痴漢などの性犯罪は、「女性の生きづらさ」を増幅させている大きな要因の1つです。痴漢の冤罪も含めて、「痴漢というものの認識」を男女共に深め合い、共有する必要があるのではないでしょうか。

 

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