日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『疲れすぎて眠れぬ夜のために』 内田樹

 

疲れるのは健全である徴。病気になるのは生きている証。サクセスモデルへの幻想を棄てて、「1ランク下の自分」を目指しませんか?ささやかなことで「幸せ」になれるのは一つの能力です。まずは身体の内側から発信される信号を聴き取ること。真の利己主義を目指すこと。礼儀作法と型で身を守ること。家族の愛情至上主義をやめること―。今最も信頼できる哲学者が、日本人の身体文化の原点に立ち帰って提案する、最強の幸福論。(「BOOK」データベースより)

 

本書は、思想家の内田樹さんによる、「幸福追求書」です。様々な逸話や説話から「幸福へと至る道筋」を抽出して、軽やかに提示しています。タイトル通り、「心身共に疲れきっていてなかなか眠れない夜」のお供に最適な一冊です。

 

本書の中で最も印象に残ったのは、「愛想がよいという型」という題の文章です。フランスの売り子の愛想が悪い理由を「売り子には、『目上の人に向かって仕方なくするのがサービスである』という意識があるため、相手よりも自分の方が上であると判断した場合は、可能な限り愛想悪くふるまう」と説明しているのがとても興味深かったです。

 

「愛想をよくすること」というのは、この世の中に存在する処世術の中で、最も使い勝手が良く、効果が高いものです。愛想をよくすることは、「舗装された道を歩むこと」と同義です。舗装された道をゆったりと歩くことほど、気分が良いものはありません。

 

その一方で、愛想を悪くすることは、「獣道を歩むこと」です。言わずもがなですが、獣道を歩くことは、気分が良いものではありません。それに加えて、「危険に遭遇する確率」も高いので、「無事に歩き終わること」も困難になります。

 

愛想を悪くすることは、幸福から遠ざかることに他なりません。愛想のような「心がけ1つで容易に変えることができるもの」にこそ、人生の神髄は宿ります。愛想を尊重することは、人生を尊重することなのです。

 

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