日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『カルト村で生まれました。』 高田かや

 

WEB連載時から大反響!!「所有のない社会」を目指すカルト村で生まれ、両親と離され、労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしを送っていた少女時代を描く「実録コミックエッセイ」(「BOOK」データベースより)

 

本書は、あるカルト村で生まれ育った筆者が、カルト村での生活をコミックエッセイにしたものです。上記のデータベースには、「労働、空腹、体罰が当たり前の暮らしを送っていた」という記述がありますが、本書を読む限りでは、それほど凄惨な暮らしぶりではなかったようです(少なくとも筆者にとっては)。良いことも悪いことも含めて「客観的な事実」として、カルト村での生活を描いています。

 

本書の中で最も印象に残ったのは、体罰に関する記述です。カルト村における体罰の特徴は以下の通りです。
 
①呼び出されたら、99パーセントの確率で平手打ちをされる。
 
②食事抜きで半日ほど外に立たせる。
 
③暗いところへ閉じ込める。その「応用上級編」として、平手打ちから髪の毛を掴んで引きずり回して壁に打ち付けるというものがある。
 
上記の体罰はどれも「悪性度」が高いですが、中でも「平手打ちから髪の毛を掴んで引きずり回して壁に打ち付ける」という体罰の悪性度は群を抜いています。想像するだに恐ろしいこの行為は、紛う事なき犯罪です。この行為については、たとえどんな理由があったとしても、決して肯定することはできません。このような犯罪行為の被害を受けた子供達が「まっとうな大人」に育ってくれることをただただ祈るばかりです。
 
ただ、注意しなければならないのは、本書は「カルト村を告発する意図で書かれたものではない」ということです。筆者は、「私が子供の頃、カルト村でこんなに酷い仕打ちを受けた。断じて許せない!」と憤っているのではなく(もちろん、多少の憤りはあると思うが)、「私が子供の頃、カルト村でこんなに酷い仕打ちを受けた。でも、良いこともあったなぁ」と過去を淡々と振り返っています。

 

本書のタイトルである『カルト村で生まれました。』の正しい受け取り方は、「(こんなに酷い)カルト村で生まれました。」ではなく、「(良いことも悪いこともたくさんあった)カルト村で生まれました。」なのです。本書は、カルト村を出た後、紆余曲折を経て結婚して、幸せな毎日を送っている筆者の「青春回顧録」であり、それ以上でもそれ以下でもありません。この点において、本書は「広く門戸を開いている本」であると言えます。

 

広告を非表示にする