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日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『夢の叶え方を知っていますか?』 森博嗣

 

何故、あなたの夢は実現しないのか?「自分の庭に小さな鉄道を建設することが小学生の頃から夢だった」―。あなたの夢は「見たい夢」か「見せたい夢」か?もし後者であるなら、願いは永遠に実現しない。小説家として億単位を稼ぎ、あこがれの隠遁生活で日々夢に邁進する。それを可能にした画期的方法論。(「BOOK」データベースより)

 

本書は、作家の森博嗣さんが、「夢」について様々な角度から考察をしたものです。「夢とはなにか」「夢が人生にもたらすものはなにか」「そもそも夢は人生に必要か」といった具合に、夢を子細に解剖しながら、夢の調査・認識・分析を丁寧に行っています。夢というものに対して、色々と思うところがある人に最適な一冊です。

 

本書の中には、夢に関する様々な記述がありますが、その中でも最も印象に残っているのが「『夢』というものは、こつこつと実現するものであって、『一発当てる』ものではない」という記述です。宝くじのような「一攫千金タイプの夢」というのは本来の夢ではなく、毎日しっかりとした目標を決めて、それを確実にこなしていくことこそが本来の夢(に近づく行為)である、という主張には深く頷きました。

 

また、夢がもたらす楽しさの説明として、「本来の楽しさ、夢がもたらす悦楽は、マイナスに思われた事項を綺麗に消し去ってくれる、ということである。一度この楽しさに目覚めたら、もう別人になっているといっても過言ではない。もしかしたら、病気にもかかりにくいかもしれない。なんとなく、それくらい健康的になれるのである」というものがあります。この記述だけを見ると、なにやら宗教じみているように感じるかもしれませんが、夢がもたらす楽しさというのは、それほど異質で格別なものなのです。

 

上記の記述に対して、「夢を追うことで病気にかかりにくくなることなどあり得ない。現に、『夢追い人』の大半は、無理がたたって身体を壊しているではないか」という反論もあるかと思います。しかしながら、夢を追うことと、無理をすることはイコールではありません。むしろ、夢を追うためには、無理は禁物です。無理をしなければ追うことができない夢など、そもそも夢ではありません。無理をしないことが、長期間に渡って夢を追うための必須条件なのです。

 

世の中の人が思い描く夢の大半は、「寝ているときに見る夢」と同質のものです。起きているときに見る夢と、寝ているときに見る夢が遜色ないのであれば、「起きている甲斐」がありません。結局のところ、なぜ生きているのか(起きているのか)といえば、「寝ている状態の自分に負けないため」でしょう。「寝ている状態の自分に勝ち続けるように努める営み」そのものが、人生なのだと思います。

 

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