日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『村上春樹いじり』 ドリー

 

本書は、世界的な人気作家である村上春樹を「読まず嫌い」して敬遠している人のための本です(本書の仮タイトルが「“村上春樹嫌い”のためのブックガイド」だったことからもそれは明らか)。

 

本書の趣向がどうというよりも、「読み物として単純に面白い」と感じました。著者のドリーさんはギャグ漫画家志望だったらしく、その卓越した笑いのセンスにただただ脱帽しました。

 

「どの評にも『読んでもらいたい』という思いがあり、そんでもって欲を言えば『語ってもらいたい』という思いがあります」とあとがきにあるように、村上春樹への確かな興味を持ち、その作品世界を深く探っていこうという明確な意識が存在しています。

 

私自身は本が大好きで、本書に取り上げられている作品は全て読んだことがあるのですが、「こんな読み方もあったのか」と蒙を啓かれる思いでした(言い過ぎか)。

 

私が村上春樹の作品を読み始めたのは大学に入学してからであり、その時には各作品の世界観にどっぷりと浸かっていたために、本書のような捉え方があることを想像すらできませんでした。「なんかよくわからないけど面白いな」という感想しか持ち得ませんでした(「本来の感想」というのはそういうものですが)。

 

本に限らず、あらゆる作品の捉え方や感じ方は人それぞれであるため、むやみな賛同も否定もするべきではありません。「自分はこう思った(こう捉えた)」というオリジナルな感慨だけが尊重されるべきものです。

 

本書をきっかけにして村上春樹を読もうと思う人もいれば、やっぱり止めておこうと思う人もいるでしょう。それは各人の自由です。ただ、「世間で異様に持ち上げられているから読まない」等の不毛な理由で読まない人には一読をお勧めします。私自身は、村上春樹の作品にも本書にも巡り合えて良かったと感じています。

 

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