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日常のトピ

たまにどヘタ漫画

『社会人大学人見知り学部 卒業見込』 若林正恭

 

芸人・若林正恭さんの『ダ・ヴィンチ』誌上での連載をまとめた、初エッセイ集です。オードリーとして2008年のM-1グランプリで準優勝を果たしてブレイクした翌年を「社会人一年生」と定義付けて、1~4年、新社会人、そして最後には卒業論文が掲載されています。

冒頭には、大学を卒業してから本格的に芸人としての活動をスタートした著者の、売れなかった時代に感じた様々な出来事や経験・思考が記されています。ブレイク後、ユニットバス付きの部屋に引っ越した際に発した「勝ち取った。漫才で湯船を勝ち取った」という、心の底からわき起こった生の感情には、強く心を揺さぶられました。

「自意識過剰」「中二病」など、様々な言葉で形容される著者の数々のエッセイは、読み手に対して大きな共感と心地よい笑いをもたらしてくれます。

「自意識過剰」のエッセイでは、スターバックスで「トール」が恥ずかしくて言えずに悩み、飲食店では「パスタ」と言えずに悩み、しかし、TUTAYAにおいては堂々とAVを借りることができるという著者。世に棲む誰しもが多かれ少なかれ感じているであろう悩みを笑いに転化させるその才能は稀有なものです。

村上龍さんの大ファンであることを公言している著者ですが、本書にも随所に村上龍さん(とその著作物)に対しての記述があります。ブレイク後に村上龍さんとの対談を果たした時の感動たるや。村上龍さんファンの私は、とてもうらやましく感じました。

おまけとして、カバーを外すとスーツ+メガネ姿のアイドル然とした若林さんの写真が、表・裏ともに、でかでかと印刷されています。私は男なので、「ほぅ、なるほど」以外の感慨はありませんでしたが、女性ファンは垂涎ものでしょうか。

 

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